ドライアイとは dry_eye
ドライアイとは
ドライアイとは、涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、目の表面を潤す力が低下してしまう疾患です。
現在、日本では約2,000万人ものドライアイの患者さんがいるといわれ、オフィスワーカーにおいては3人に1人がドライアイという報告もあり年々増加傾向にあります。
涙は「油層」「涙液層」「ムチン層」の3層で目を保護されていますが、涙の質が変化してこのバランスが崩れると涙が蒸発しやすくなってしまいます。
原因としてはマイボーム腺梗塞もしくは結膜や涙腺の炎症・変性などが挙げられます。
加齢による生理現象として涙の分泌量が低下しますが、近年、コンタクトレンズの装用やスマートフォンなどの普及によりドライアイの患者様は若い世代も増加傾向にあります。
最近は、ドライアイ患者の多くにマイボーム腺機能不全(MGD)による「油分が足りないドライアイ」があることがわかっています。
ドライアイの症状
- 目が乾く
- 目がゴロゴロする
- 目がかすむ
- 充血する
- 目が疲れる
ドライアイの種類
ドライアイは、さまざまな要因により、涙の安定性が低下するために引き起こされる病気です。大きく3つの種類に分類されます。
涙の質の異常(蒸発亢進型)
涙は3層構造になっていて目を守っています。
その涙の一番外側にあるのが油層で、涙が蒸発するのを防いでいます。
蒸発亢進型ドライアイでは、涙膜の油層を作っているマイボーム腺という組織に異常があり、油層が十分に分泌されず涙が蒸発しやすくなります。
涙の分泌量の異常(涙液減少型)
涙は3層構造になっていて目を守っています。
その涙の一番外側にあるのが油層で、涙が蒸発するのを防いでいます。
蒸発亢進型ドライアイでは、涙膜の油層を作っているマイボーム腺という組織に異常があり、油層が十分に分泌されず涙が蒸発しやすくなります。
涙の安定性の異常(BUT短縮型)
涙の量に異常がないのに涙液層が破綻しやすく、ドライアイの症状を生じるタイプのものです。
涙の安定性を保つ働きをもつ膜型ムチンの機能が低下していると推測されています。
目の表面に目立った傷がなく、涙の量も正常であることから、診察や検査を受けても異常が見つかりにくく、神経疾患、精神疾患、眼瞼痙攣などと間違えられることもあります。
ドライアイの治療
当院では、点眼薬のほか、涙点プラグ等の治療を行います。
その他、マイボーム腺炎の治療もドライアイに有効とされております。
点眼
ドライアイ治療の基本は点眼薬による治療です。
目の潤いを保つ成分を含んだ点眼剤、または涙の質を改善する点眼剤を用います。
各点眼薬の特徴をふまえながら、お一人おひとりの目の状態、疾患の状況に応じて使用すべき点眼薬を決めていきます。
涙点プラグ
一般的に効果がしっかり期待できるものが、「シリコン製プラグ」であり、シリコン製プラグで異物感を感じる方は、「コラーゲンプラグ」というものを使います。
当院はどちらのプラグも準備していますので、専門医師の診察結果をもとに、ドライアイ患者さんと相談しながら使用するプラグを決定するようにしております。
ぜひお気軽にご相談ください。
涙点プラグ治療の考え方
涙の排水口である涙点に栓(涙点プラグ)をして、涙が流出しないようにする方法です。
コラーゲンのように溶けて無くなったりはしませんので長期間の効果が期待できますが、こすったりすると脱落してしまうので注意が必要です。
涙点は上下にありますが通常どちらか1つにプラグを入れて様子をみます。
上下ともにプラグを入れるとドライアイはかなり改善しますが、今度は流涙(いつも涙があふれてこぼれる症状)に悩まされる事が多いためです。
まれですがプラグに対してアレルギーを生じ、除去する場合もあります。
コラーゲンプラグとは
熱を加えると固まるコラーゲンを涙点から涙嚢とよばれる涙の貯留槽に流し込み、40℃くらいで温めて固めて涙の流出を防ぎます。処置には痛みも違和感もほとんどありません。
コラーゲンは3ヶ月程度で無くなってしまうため、冬場の乾燥のひどい時だけで良い方や、涙点プラグのお試しとしてされる方もおおいです。
コラーゲンプラグは患者様の負担の少ない治療です。
治療後の異物感がなく、主に軽度から中等度の症状に用いられます。
治療に使われるコラーゲンについて
コラーゲンプラグには、医療に幅広く使われているアテロコラーゲンという特殊なコラーゲンが用いられています。
アテロコラーゲンは、酵素処理によって得られる、抗原性の低い、且つ安全性の高いコラーゲンです。
涙点閉鎖術
プラグでもドライアイが改善しない場合に、排水口である涙点を手術的に閉鎖する方法です。
マイボーム腺炎の治療
蒸発亢進型ドライアイの原因である「マイボーム腺機能不全」は、ドライアイ全体の約8割を占めているといわれています。
この機能を改善させることでドライアイの根本的改善に直結します。
ドライアイを軽減する環境作り
長時間のパソコン作業や車の運転は、瞬きの回数が減るのでドライアイ症状を悪化させます。
コンタクトレンズも種類によってはドライアイを悪化させるので、注意が必要です。
加湿器を使用したり、エアコンの設定を変える、空調が顔に当たらないようにするなどもとても有効です。
市販のドライアイ専用眼鏡の使用や眼鏡の周りを覆うことも目の周りの湿度を上げるのに有効です。
また、目を温めると血流が上がり、涙液分泌が良くなるといわれています。